ウィルス学
新型コロナ感染症について語るとき、やはり100年前のスペイン風邪を参考にせねばならない。
患者数6億人、2000万人~4000万人が死亡したとされるが、これはやはりウィルス風邪の起源である。
ウィルス学者は過去のウィルスを探索しようと、ロシアでは融解した永久凍土層から出土した動物の死骸を分析し先史時代のウィルスの研究を始めている。
既に永久凍土に長年、閉じ込められていた感染症が出て来ている。2016年にロシア極北シベリアで炭疽(たんそ)が集団発生して子供1人が死亡している。
今後、永久凍土が溶けることは、コロナよりもっと怖いウィルスが出て来て世界で流行するかもしれないとウィルス学者は述べている。
追加ですが、黄熱病に倒れた野口英世の解剖を行った病理医のウイリアム・ヤングが剖検の8日後に亡くなった。おそらく剖検中の黄熱病ウィルス感染だったと言われている。
怖い話ですね。
東京五輪
いよいよオリンピックが7月23日に迫ってきた。
開催にYesかNoか?その議論よりも全国民が自分の市や県の感染、つまり「今そこにある危機の対策」に精一杯なのが実情である。もちろん菅首相の開催したい気持ちも分からなくはない。やらないと莫大な投資の回収が出来なくなるということと、今まで頑張ってきた選手達の気持ちも尊重したい。
しかし今回は国民の命がかかっている。人命は地球より重いと以前から言われてきた。
お膝元の東京では新型コロナ対策も、手詰り感を呈している。
国会では野党の「No」の声はたくさん聞いているが、与党(自民党、公明党)の議員からは開催の是非についての意見がほとんど出て来ない。変異株の外国からの侵入に怯える東京都民。はたして東京都知事、小池さんはいかなる決断を下されるのでしょうか?とに角、急いで欲しいと思います。
尚、私の周囲の医師たちは、ほとんど方が「No」です。
コロナ禍での商機
インスタント食品
日本人のインスタントの原点は粉末スープと味噌なのです。歴史をさかのぼってみましょう。
日本人は手軽ということに対して情熱があります。もともとは江戸時代から始まりました。
一番初めが「納豆汁セット」です。
毎朝、納豆売りがやってくるときに「即席納豆汁」を一緒に売っていました。刻んだ納豆に粉末のカツオ節と味噌、ネギがセットになっています。お湯に入れれば納豆汁の完成。お湯に入れるだけでできるということで主婦にはずいぶん重宝されたようです。
日本人は「サッポロ一番」味噌ラーメンが大好きです。日本人のインスタントの原点だと言ってもいいでしょう。
「手軽」と「手抜き」は違います。
日本人は味のよい「手軽」を楽しんできたのです。
天気痛
最近よく取り上げていますが、1月からずっと天気の変動が激しく、春になっても低気圧と高気圧が交互にやってきて寒暖差がはっきりしています。そのたびに同じ表現が使われますが「三寒四温」とは良く言ったものです。
もとはこの言葉、中国東北部の冬の気候を表す言葉です。
症状的には閃輝暗点(視界の中心からギラギラした光が徐々に広がり数十分で治まる症状)があって片頭痛につながってゆきます。
基本的には交感神経と副交感神経のバランスが乱れてしまうからです。
とに角、自律神経のバランスを整える生活を心がけることが大切です。毎日、同じ時間に起き、朝食はしっかり食べる。適度に体を動かし湯船にゆっくり入る。
漢方薬もよく使われますが、天気痛がいつ自分の体に表れるのかを知っておくことが重要です。
気を付けて下さい。
医療の近況
今、我々開業医はどういう生き方をしているか、をお話しましょう。
もちろん科によって違いますが、どの医院もコロナ対策に追われているのは言うまでもありません。手指消毒から始まって換気はどこも一緒の基本対策です。一番、神経を使うのがコロナ感染症疑いの患者さんです。当院では隔離個室に入っていただいて必要に応じて血液検査や、医師会検診センターへのPCR検査依頼に相当時間を割かれます。どうしても不要不急に該当しない県外出張者も多く、「まあこれくらいの症状ならいいか」から「いや待てよ」まで、さまざまな苦難を開業医は連日して居ります。
一年前にはあまり居なかった若年層も増えて居り、「若いからまあ大丈夫か」が通用しなくなり、本当に神経をすり減らします。
医師会や保険医協会も厚労省に何度も、医療従事者への手厚い援助を求めていますが、残念ながら良い回答が得られていません。
1日も早く、膝をつき合わせての歓談や、のびのびゴルフをしたいものです。
コロナ禍における学校健診
コロナ禍で私の母校愛光学園の健診出張が去年は中止となった。さて今年は?と思っていたら、感染対策をしていますので行います。と依頼があった。
行くと体育館が写真のように、各診察室毎にブロックされていて安心して健診をすることが出来た。フェイスガードも装着した。中~高校の6学年(1400人)を11名の検診医でさばく訳である。みんな愛光卒の医師のみである。嬉しいことに50期の愛媛大の女医も加わり、2時間少しでやり終えた。
ブロックをすることで従来は女生徒のみは別の部屋で担当の医師が診ていたが今回は、感染対策のみならず女子生徒も安心して診る体制が出来、コロナ禍のおかげで色々なアイデアが涌いたのでしょう。
中学部は女子の進出もあって200人定員で140人が男子、60人が女子と、昔とは隔世の感がある。
さっきの50期生は愛光に初めて女子を迎えた1期生なのです。
再来年は愛光学園も70周年を迎えます。
納得いかない
痔の予防
肛門疾患を数多く診ていますが最も多いのはやはり「痔核」。その最大の原因は便秘です。
「いきんで出す」という排便習慣になり肛門がうっ血して痔核になりやすい。
よく「どんなものを食べていますか?」と尋ねると「消化のよいものを食べている」という答えが多いですが少し違います。
やはり食物繊維の摂取が大事です。
食物繊維は大腸の粘膜を刺激しますが、不溶性と水溶性があります。「不溶性」は穀類、野菜、豆類、イモ類に多く、便の硬さを増やして腸を刺激し腸の運動を活発にして便秘を解消する。「水溶性」は納豆、ワカメ、ノリ、コンブなどの海藻類に含まれ、便を軟らかくして滑りを良くし、スムーズに便を出してくれます。食物繊維の上手な取り方としては「野菜サラダより海藻サラダ」という考え方です。
次に腸の善玉菌を増やすと便秘や下痢の予防、改善効果があります。「発酵食品」「乳糖」「オリゴ糖」「食物繊維」をどれも多く取ってください。
味噌、ぬか漬け、キムチ、納豆、チーズ、ゴボウ、タマネギ、バナナ・・・。バランス良く摂って肛門に優しい食生活を心掛けて下さい。