元中日のエース、星野仙一さんが亡くなった。(70才)。

巨人との試合では特に燃える男としてファンを熱狂させた。

死因は膵臓がん。膵がんの5年生存率はステージ1で40%。胃や大腸の癌がほぼ100%であるのに比べると怖い。2016年7月に急性膵炎を発症。その時に分かった膵癌が命取りとなった。ここで見逃せないのが、星野さんが長年、糖尿病に苦しんでいたこと。

以前にもブログに書きましたが、糖尿病の人はそうでない人に比べて、がん全体のリスクが2割高い。膵がんと肝がんが約2倍、大腸がんが1.4倍である。

糖尿病は予備軍も含めると2,000万人といわれている。ここが、がん対策の点で大きな問題です。糖尿病で血糖値が上がると、それを下げるホルモンのインスリンが増える。インスリンには、がん細胞の増殖を促す作用があります。更に過度の飲酒や喫煙は糖尿病とがんのリスクをどちらも引き上げます。

星野さんもたばこをかなり吸っていました。昭和の大横綱、千代の富士も糖尿病があり膵がんで亡くなりました。

膵がんは我々も手を焼くほど早期発見が難しい。そのためには予防が第一ですが、そのカギは糖尿病対策にあると思っています。

ある本を読んだ感想です。

2008年に「がん哲学外来」を開設し、これまで三千人以上の患者や家族に希望を与えてきた順天堂大医学部教授の樋野興夫氏が病気で生きる基軸を見失ってしまった人に送る、「言葉の処方箋」。(幻冬舎)。哲学外来は対話を通して支援する予約制・無料の個人面談を行っています。医療現場と患者の間にある「隙間」を埋める活動を続けており、日本癌学会奨励賞等を受賞しています。

さて内容をいくつか紹介すると、「使命はまっとうするまで人は死なない」。使命がある限り人は簡単に死なない。使命や目的を持っている人は頑張れる。逆に使命や目的を失った人は亡くなるのも早いように感じるという。だから何をしたらいいのかわからなくとも焦ることなく、病気は人生の夏休みと考えてこれまでやれなかったことに時間を使ってみてはどうかと提案する。その他、「困っているときこそ笑う」-どんなに厳しい境遇にもかかわらず笑う。すると不思議と楽しい気分になってきます。人生いばらの道にもかかわらず宴会とも言っています。更に、「病気になっても病人ではない」「元気なときの自分が最高とは思わない」「八方塞がりでも、天は開いている」「死もまたありがたくいただく」「人生に疲れたらお墓に行くといい」「心配は命の毒である」、等々患者を勇気づけてくれる80の言葉が詰まっています。読者の皆さんが自分の人生に活かすもよし、患者さんへの説明に活かすもよし。是非、読んでみて下さい。

(追伸)

いつも冬になると南予は雪。

転勤族の方からよく「先生、なんで南予とあるのに南の方が雪が多いのですか?」と質問されます。私も不明です。

しかし雪で孫達は大喜びの季節です。

やはり学校に行きたい、まりかでした。

(写真6枚)

みなさん、36協定(サブロク)という名前を聞いたことがありますか?私は産業医をしていて色々な会社に出張しますが大事な労使間の法律です。

法律で定められている法定時間は原則「1週間40時間、1日8時間」ですが会社が労働者に残業をさせる場合、労使間で協定を締結し、労働基準監督署へ届け出る必要があります。

この協定は労基法第36条に規定されていることから、通称「36(サブロク)協定」と呼ばれています。

36協定を締結せずに残業をさせた場合や休日労働をさせた場合、労基法違反となり使用者に6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

現在、サービス残業等、色々な問題で企業がブラックリストに載せられています。

労使共々、快適な環境で仕事をしたいものです。

(追伸)

新年号(1/4)で凧揚げの事を書きましたが「動画があれば見せて欲しい」との要望があり、今回、出してみました。

まりかの拍手がかわいいです。

お楽しみ下さい。

日本人は昔から月が好きである。太陽よりも好きという人が圧倒的でしょう。「三日月」「新月」「夕月夜」「宵月」等、季語も多い。

私は阿部仲麻呂の「天の原 ふりさけみれば春日なる 三笠の山にいでし月かも」は大好きな和歌である。さすが百人一首に選ばれているだけのスケール感がある。

花札でも「月見で一杯」という役がある。

さて世界広しと言えども「月見うどん」があるのは日本だけである。生卵を落としただけで、これを月に見立てるとは日本人の風流心ここに極まれり、というところである。

ゆうちゃんは、やはり「月には兎がいて餅をついている」と言っている。可愛いらしい発想である。

さて月は日中でなく夜に天空で輝きを放つ存在が古代より不思議なものであった。また我々の身体が月による潮の干満の影響を受けていることも摩訶不思議だし、月の満ち欠けを利用した「太陰暦」が明治維新まで使われていました。

月を愛でるのは他国では祝祭的な騒ぎになるが、団子や果物を供え、しんみりと月を眺め酒を酌み交わすという上品さは日本独特の文化です。

やはり「月見で1杯」ですね。

みなさん明けましておめでとうございます。

年末年始、楽しく過ごされたでしょうか?

私は孫2人と年末30日に母校、愛光学園のグラウンドで凧揚げをしました。愛光のグラウンドは(卒業生は知っていますが)、人工芝になっているので走りやすく、まりかも居心地良くしていました。澄んだ青空に高く上がった凧を見て、大喜びの子供達でした。

今年も医学ネタを中心に(月)・(木)と書いて行きます。

よろしくお願いします。(写真6枚)

 

糖尿病は目、腎ぞう、神経の3大合併症がクローズアップされ失明、人工透析、下肢切断といった深刻なリスクはみなさん御存知と思う。

今回はもっと掘り下げてみると、実は糖尿病はがんを併発しやすいことである。日本糖尿病学会と日本癌学会は糖尿病でない人のリスクを1とすると糖尿病患者は、ガンのリスクが1.2倍高くなると報告している。中でも大腸がんは1.4倍、膵がんは1.85倍、肝がんは1.97倍もリスクがアップするという。

それだけではない。糖尿予備軍でもリスクが高くなることが分かっている。糖尿病の手前の高インスリン血症の人は、そうでない人より2倍もがん死亡率が高いという報告がある。難しい話は今日は省きますが、「インスリン抵抗性」と「AGE」(終末糖化産物)が、がんの発症にかかわっているようです。

検診などで糖尿病予備軍と言われた人は食事療法、運動療法を徹底し、場合によってはαーグルコシダーゼ阻害薬を予防的に使用することで(保険可)悪化を防げます。

がんを防ぐためには糖尿病のコントロールが大事です。

 

今年のブログは今日で終わりです。一年間、お付き合い下さりありがとうございました。

来年のブログは1月4日(木)からとなります。

どうか良いお年を。

(追伸)

競馬ファンならずとも「有馬記念」は年末に興味がある。

今年は何と言っても12月24日に中山競馬場で行われたGP「第62回有馬記念」は北島三郎(サブちゃん)オーナー(81才)が所有するファン投票1位のキタサンブラックが逃げ切り、ラストランをⅤで締めくくった。騎手「武豊」もすばらしかった。

キタサンは、これで引退かと思うと涙が出そうである。数々の(90年のオグリキャプ、06年のディープインパクト)名馬の引退戦に涙するのは私だけであろうか。

キタサン、最後に単勝であなたを買った私に忘れられない想い出とXmasプレゼントを届けてくれてありがとう。サブちゃんの引退と重なって今年は忘れられない年となりました。

アドラー心理学が100年も前に誕生したのに何故、現代人を引きつけるのか?

それは「自分の人生をリセットして新しい人生をもう1度スタートさせてみよう」いう勇気を与えてくれるからだという。

例えば劣等感。アドラーの言う劣等感とは、理想の自分と比較して現在の「自分が未熟である感覚」のことを言う。他人との比較ではなくて自身の問題なので自分を卑下する必要はなく劣等感があるからこそ成長出来ると説いている。自分自身を受け入れる(自己受容)ことを是非、やってみて下さい。決して他人と比較しないで下さい。

 

(追伸)

今日はクリスマス。

ゆうちゃん家でも多くの友人が訪れています。楽しそうです。

1人、長老の方(後ろ姿)は誰でしょう?仕切ってる?

(写真4枚)

 

昨今のオイルブームの火付け役はオメガ3脂肪酸でした。魚油に含まれている「脳の栄養素」と呼ばれているEPAやDHAが有名です。

EPAは最近の研究で血液サラサラ効果を有し、脳梗塞や心筋梗塞の予防になることが分ってきました。

さて「オメガ3」が注目を浴びたきっかけは北極圏で暮らすイヌイット(エスキモー)の食生活でした。彼らの食事はアザラシ等、肉食中心で野菜や魚をあまり食べない訳ですが何故、心疾患や脳血管疾患にならないのか?1970年代に世界の学者が注目し、オメガ3を多く摂っていることが答えでした。

アザラシの主食がEPAの豊富な青魚やDHAを多く含むマグロであったことがヒントになりました。当然、アザラシの肉にはEPAやDHAなどのオメガ3が豊富に含まれていたのです。

今ではサプリメントのみならず医薬品にもなっています。

(追伸)

今年も忘年会を12月16日(土)、道後のホテルで行った。総勢27名。

1年を振り返り、また来年への期待を込めて大いに盛り上がりました。

 

10月9日にスポーツ庁から発表された2016年度の体力・運動能力調査。

何と35~39才女性の合計点が過去最低となった。

特に働き盛りの30~40才代で近年低下や停滞が目立つ、とあった。

一方、75~79才女性は3年連続で過去最高点となり、50才以上の体力向上と合わせて二極化傾向を取り上げていた。

上体起こしや反復横跳び、6分間歩行など色々なテストがある。

娘も35~39才に当たるので尋ねてみると、まりたんのお世話で自分は置き去りになっていると言う。スポーツ庁の分析でも「30~40才は日常的に運動する頻度が低い。運動したくても仕事や家事でできてない人が多いのでは」とあった。

結論として同庁は「まずは歩くことから運動習慣をつけてほしい」とあった。

私がいつもブログで書くように週に3回、1回20分のウォーキングを無理をしてもやって欲しいと思います。

 

 

昔は何ともなかったのに今は階段を上るだけで息切れが・・・。

みなさん経験ないですか?

病気として重要なのは気管支喘息や肺気腫、COPD等の肺の病気や心不全をはじめとする心ぞうの病気は否定しておく必要があります。それらがない場合は何でしょう?

一番、考えられるのは体重の増加です。体が重いと体を動かす時に多くの酸素が使われるから過呼吸気味になるのです。重い体を動かすには多くのエネルギーが必要です。ブドウ糖や脂肪を代謝してエネルギーを産生するのに酸素が使われるので体は呼吸の数を増やし、より多くの酸素を取り入れようとします。だから太っていると少し体を動かすだけでハアハアと息が上がってしまいます。これは運動不足の人にも起こります。筋肉が少ない人が運動すると血液中に乳酸がたまり血液が酸性に偏ります。それを中和するために呼吸数が増えるのです。つまり二酸化炭素をどんどん排出することで体は中性を保とうとする訳です。

それ故、やはり日頃の運動は大事だと思います。

たかが「息切れ」、されど「息切れ」です。

 

(追伸)

もうすぐクリスマス。待ち遠しい2人です。

(写真4枚)