「腔」は、うつろ・中空という意味で「からっぽ、がらんどう」を表わす漢字である。

クラゲやイソギンチャクのように内臓部分が、がらんどうに見える生物を腔腸動物(こうちょう)と呼ぶ。

しかし「腔」を本来の「コウ」と呼ばずに現実、特に医学界では「クウ」と呼んでいる。

口から吸った空気が取りこまれる部分は口腔(コウクウ)、胸を中心とする呼吸器官を胸腔(キョウクウ)、腹は(かつて中空と考えられていたので)腹腔(フククウ)、鼻の奥は鼻腔(ビクウ)と。

何故こんな間違いが起こったのか?

それは「腔」という漢字の右半分が「空」であり、その音読みの「クウ」に引きずられてしまって医学界では定着してしまったのです。

 

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