日本は長い間の仏教信仰によって動物の肉を食べなかったから肉食の歴史は短い。

明治になって肉食が普及したが、牛か豚それに鳥くらいで羊は北海道以外はなじんでいない。

しかし世界的にみると羊は食用の動物の代表と言っていいほど世界各地でよく食べられている。

羊は人間に従順で繁殖力も旺盛だから牧畜に適した動物である。中国でも非常に古くから羊の放牧がおこなわれていた。春秋時代には羊を販売する市があったと言う。

中国で羊は祭祀(さいし)の犠牲としてもさかんに使われた。最も重要な祭祀では牛を使ったが牛は農耕に使う貴重な役畜でもあったので通常は羊が使われた。神に捧げる犠牲は大きいほど望ましく、なるべく大きな羊を選んでお供えした。そこで「羊」と「大」を組み合わせた字形で「りっぱなもの」という意味を表した。

それは「美」という漢字なのです。

(追伸)

まりちゃんが、リヤドロの羊さんと遊んでいます。

 

 

日経新聞連載の漢字学者、阿辻哲次さんの投稿の文章です。

みなさん、「尾生の信」という言葉を知っていますか?知っている人はかなりの勉強家です。

今回はこの文をそのまま転記させていただきました。

 

むかし中国に尾生高(びせいこう)という男がいた。尾生(もとは「微生」と書く二文字の姓)はある日、女性とデートの約束をし、川にかかる橋の下で待ち合わせと決めた。男はいくつになってもデートの約束に心おどるもので、きっと彼女に逢える日を、心待ちにしていたことだろう。

デートの当日、尾生はウキウキと出かけたにちがいない。私の考えでは、デートの際には約束の時刻よりも少し早めに着くのが男のマナーである。よほどのことでもない限り、大切な人を待たせるべきではないと思うからだが、ともかく尾生は約束の橋の下までやってきた。

しかししばらく待っても彼女はこない。こんな時にあせるのは禁物だ。化粧がうまくのらないとか、着てゆく服が決まらないとかで、十分や十五分くらい遅れるのは当たり前のこと、三十分や小一時間の遅延でも、交通機関の都合ということだって考えられるではないか・・・・・。だが何時間待っても、彼女は来ない。尾生はそれでも約束を守るため、その場を動かない。そうこうするうち、上流から大量の水が押し寄せ、水かさが増してきた。それでも彼女はこない。水はどんどん増えてくる。だが尾生は約束を守ってその場を離れず、とうとう橋脚を抱いたまま、おぼれ死んでしまった。

話は『荘子』(盗跖)に見え、この愚直な行動から「融通のきかない馬鹿正直」のことを「尾生の信」というようになった。だが彼はまた信義に篤い人物と評価されることもあって、強大化しつつある秦に対抗するために列国に合従策を説いた蘇秦は、固く約束を守る人物のたとえとして尾生を使っている。

荘子では尾生が嘲笑の対象とされているのだが、私はどうも尾生を笑う気持ちにはなれない。恋しい女性を待っていれば、自分だって尾生と同じようになるだろうと思うからだ。中国語に「不見不散」といういい方がある。「見(あ)わざれば散ぜず」、つまり会うまでその場を離れないという意味で、今も中国人が待ち合わせをする時によく使う表現である。

尾生はその「不見不散」を実践したのだから、模範的な人物として表彰されてもいいとまで私は思う。

 

いかがでしたか?私の手元の旺文社の国語辞典を見ると「尾生の信」は①約束を固く守りぬくこと。②ばか正直で融通のきかないことのたとえ、と2つの意味があります。

中国の漢字の歴史は奥深いものがありますね。

 

 

糖尿病(DM)患者のうち、目の合併症について検査を受けているのは半分以下、腎ぞう病の精密検査では4分の1にも満たないことが国立国際医療研究センターを中心としたレセプト情報の調査研究で分かりました。

DM性網膜症は日本人の視覚障害になる原因の3位。DM性腎症は人工透析が必要になる原因の1位とされ神経障害と並んでDMの三大合併症とされています。

DM学会のガイドラインでは目の検査は半年から1年に1回以上、尿の精密検査は3~6ヵ月に1回以上受けることが推奨されています。

当院でもDMの方には必要な検査をできるだけ定期的に勧めて行っていますが「半年に1回」でよいと主張される人が居て困っています。

糖尿病の怖さを自覚して欲しいです。

(追伸)

ゆうちゃんはトウシューズで悦に入っています。足が長く見えます。

一方、まりかは初物のさくらんぼの試食に余念がなさそうです。果物には目がないようです。

いつも仲の良い姉妹です。

(写真8枚)

改正健康増進法により病院、診療所等の「特定施設」が7月1日より完全禁煙となった。

当院も今までは「喫煙ルーム」を設けていたが、この法律により、施設内は一切禁煙となった。これは受動喫煙の観点からは当然の理屈である。

唯し、屋外の一角に「特定屋外喫煙所」を設置することは可能となった。

随分、考えましたが、どうしても1本~2本吸いたくなる愛煙家のために写真のように喫煙所を設けました。これからはこの場所で一服して下さい。

もちろん、タバコは体に毒だということは御承知下さい。

尚、今まであった1階、2階の喫煙ルームは、新たに談話室として生まれ変わりました。

 

「腔」は、うつろ・中空という意味で「からっぽ、がらんどう」を表わす漢字である。

クラゲやイソギンチャクのように内臓部分が、がらんどうに見える生物を腔腸動物(こうちょう)と呼ぶ。

しかし「腔」を本来の「コウ」と呼ばずに現実、特に医学界では「クウ」と呼んでいる。

口から吸った空気が取りこまれる部分は口腔(コウクウ)、胸を中心とする呼吸器官を胸腔(キョウクウ)、腹は(かつて中空と考えられていたので)腹腔(フククウ)、鼻の奥は鼻腔(ビクウ)と。

何故こんな間違いが起こったのか?

それは「腔」という漢字の右半分が「空」であり、その音読みの「クウ」に引きずられてしまって医学界では定着してしまったのです。

 

気圧、気温、湿度など気象の変化によって生じる不調の総称を「気象病」と呼ぶ。

大きく分けて症状は2つ。

ひとつはめまいや肩こり、イライラなどの不定愁訴です。

もうひとつは頭痛や関節痛など、もともと持っている病気の痛みが悪化するもので「天気痛」と名付ける人も居ます。

何故起こるのか?それは気圧の変化は耳の奥の内耳で感じるのだが気圧の変化そのものが体にストレスを与えるからである。すると脳が自律神経にストレス対応の指令を送ります。上手に対応できる人は問題ないものの自律神経が失調していたりストレス対応がうまくできなかったりすると不定愁訴や天気痛が生じるのです。

今年のように気温が急激に変化すると体がうまく対応できません。高い湿度も熱が体内にこもりやすく、これも不調の原因になります。

治療は自律神経の乱れを抑えるように規則正しい食生活、睡眠が基本ですが、あとは抗めまい薬や漢方薬(五苓散、抑肝散・・・)等も有効な場合があります。

主治医に早めに相談して下さい。

 

2012年、秋田県知事から東日本大震災へのロシアの支援に対する御礼として、プーチン大統領への秋田犬「ゆめ」の寄贈でロシアでの秋田犬人気が高まった。

その後、安倍首相のロシア訪問時にも公邸で元気な、ゆめが公開されている。

また2016年、秋田県を訪れた米国ケネディ駐日大使が秋田犬の子犬を気に入り、「ふじ子」が送られた。

2018年5月にはフィギュアスケートの金メダリスト、ロシアのサギトワ選手に「マサル」が送られたのも有名で、「ゆめ」と「マサル」は日露友好のシンボルとなっている。

秋田犬は大型犬特有のりりしい姿と無駄な争いを好まない穏やかな性格といった魅力が好まれ、忠犬ハチ公の映画化等によって海外での人気は飛躍的に高まっている。

しかし過去の歴史をひもとくと、昭和19年、戦争のために数十万頭殺された。このままでは秋田犬が全滅するとの危機感から保存会の会員が密かに飼って十数頭の秋田犬を残し守ったことは有名です。その後、GHQが秋田犬を好み、順調に増えた歴史がありました。

「忠犬ハチ公」の話をこの際に復習して下さい。

 

食中毒の季節である。1998年の原因物質別の発生状況は腸炎ビブリオとサルモネラ菌で半数を占めていたが、カンピロバクターが2018年度は細菌部門のトップである。ウィルスを含めてもノロを63件も上回る319件。3年前に「肉フェス」で東京と福岡の会場を合わせて900人という大規模発生を起こした。

カンピロバクターは鶏、牛、豚などの腸管にいる細菌ですが特に汚染率が高いのが鶏です。

あまり注目されていないのは潜伏期間が1~7日と長く、原因を特定しにくいのと同じものを食べても発症する人としない人がいるからである。鶏料理を食べるなら中心部までしっかり火を通すのが大事である。75度以上で1分加熱が鉄則である。

スーパーやデパ地下の惣菜でも鶏料理が入っていたら必ず電子レンジで加熱して下さい。

症状は下痢、嘔吐、発熱である。

更に厄介なのが治療が遅れると手足が麻痺して力が入らなくなるギランバレー症候群を併発する恐れがあることです。ギランバレーの4割はカンピロバクター感染が原因と言われています。(国試必須です。)

是非、気をつけて下さい。

 

広辞苑で「手袋」を調べると「寒さや汚れ、外傷を防ぐため手にはめる袋状のもの」とある。

主な目的は手の保護や装飾である。

防寒用以外にも、スポーツ(ゴルフ、スキー、野球等々)、釣り、作業用、ドレス手袋等々多様である。

素材も牛革、羊皮、豚皮、人工、合成皮革、アクリル、ナイロン、レーヨン、ビニロンと多彩である。

さてこの手袋。日本の90%以上を生産しているのが香川県東かがわ市である。2003年に香川県の引田、白鳥、大内の3町の合併で出来た人口3万人の市である。

事実、市内には手袋メーカーが多く、特に旧白鳥町に多いため「白鳥の手袋」とも言われていた。

歴史は130年前に両児舜礼(ふたごしゅんれい)という副住職が大阪に移り住みメリヤス手袋製造を家業としたのが始まりである。第一次大戦、朝鮮戦争等の需要で拡大し、昭和30年代には世界一の手袋産地となった。

何故、今でも東かがわ市がトップなのか?これは「指5本タイプを作るにあたって機械化が難しい労働集約型作業であるため他から、この産業に参入しにくく、いわばニッチな産業として生き残ったから」だそうです。今後も発展して下さい。

(追伸)

5月20日のジュニアえひめ新聞に、ゆうちゃんの俳句が入選しました。

(写真で以前に出しましたが)まりかがやぎへえさをやる姿は、ほほえましかったです。

ゆうりが自分でやって、恐しくないと教えこんでますね。

入選おめでとう。

(写真6枚)

 

6月21日(金)公開映画「きみと波にのれたら」の試写会に5月28日行って参りました。

アニメーション監督としても名高い、湯浅政明監督のラブストーリです。

小さな港町を舞台に消防士の青年・港(みなと)とサーファーの大学生・ひな子との運命的な恋を描いています。

「したたかに生きなければという世の中で純粋な主人公を波にのせてあげたいと思った」と監督が語るこの作品は、そっとあなたの背中を押す物語です。

港が亡くなったあとのひな子の行動。

最後のシーンは涙でした。

中、高の女子生徒が好みそうなstoryでしたが、是非多くの方に観ていただきたいと思います。