最近、現代の若者には考えられない、いくつかの昔の出来事を時々、話したいと思う。
①開業して37年になるが、35年くらい前は、夜によく診てくれと呼ばれ、飲酒運転で何人も診療した。中には、翌日、おばあさんが、「先生、きのうは、お酒飲んでいたのにありがとうございました」とメロンをくれた。きっと、まっ赤な顔だったのだろう。法律のない時代の話である。
②2007年にスマホが誕生する前はポケットベルであった。車に乗っていても不思議に公衆電話は反対車線にあり、よくUターンして電話をしたものだった。一番辛かったのは日よう日に船釣りに行ったときにポケベルが鳴った時。急いで帰ったが、全くたいした用事でなかった。とうとうその日は釣りをやめて帰宅した。
③院内旅行と称して25年間くらいは毎年、2泊3日の旅行をしていた。北は知床、南は沖縄、上海もあった。もうこんな、ぜいたくな旅行は2度とないと思うと昭和は良かったとつくづく思うのである。
④今から20年以上前だろうか?
当院で呼吸器系の困った入院患者が居た。そこで2~3回、電話で知己のあった日赤のO先生に電話して教えてもらった。
するとそれから1時間半ほど経って何と、そのO先生が私の診療所に来てくれた。「自転車で来たので迷いました」と。そしてすぐに患者を2Fから呼んで診察していただいた。
私もであるが患者さんも喜んだのは言うまでもない。医師の善意である。やがてO先生は任期が切れ九州へ帰ったが以来、ずっと連絡を取りながら、特に呼吸器の質問を携帯やメールで教わっている。更には冬には愛媛の紅まどんなを送り、先生からは冬に「カキ」を送ってくれている長い長い付き合いが続いている。
人格、実力共にすぐれた医師であると今でも尊敬してやまない。