H・Gウェルズが1898年に発表した「宇宙戦争」は繰り返しドラマや映画になったSFの古典である。人類は火星から来た侵略者の兵器に家畜のようにさらわれ反撃もむなしく絶滅の崖っぷちに追いやられる。

もはやこれまでと思われた人類を救うのは目に見えない病原体です。地球上の生物は共に生きる過程で免疫を獲得しているが、宇宙から来た彼らにはそれがない。それまで無敵だった破壊者は瞬く間に打ち倒されて屍(しかばね)の山に成り果てる。

免疫の要となる抗体の発見は1890年。そして1901年にジフテリアの血清療法が最初のノーベル賞に輝いた。1度かかった病気にかかりにくいことを人は経験則から知っており、免疫という概念も古くからあったらしい。

新型コロナウィルスとの闘いでも最初の武器は免疫で、ワクチンはそれらの力を引き出すだけである。しかし時間が経つと抗体は減り、ウィルスは変異して免疫をかいくぐろうとする。これも実は自然の摂理なのです。共生していくしか方法はないのかも知れません。

 

 

 

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