以前にも取り上げましたが2024年4月から医師の残業の限度時間が「月45時間、年360時間」に規制される。そこで問題なのが大学病院などの大病院。中でも深刻な医師不足が指摘されている外科、産婦人科、小児科、救急外来の医師の確保である。

一般診療所の財源を損益率の低い病院に移すべきとの意見があるが、そんなものでは打開は無理と思われる。

厚労省資料をみると、1998年の25万人から増えて2016年の医師数は32万人。一方、外科医は28,871人から28,012人へ3%減少。産婦人科はわずか80人増。小児科医も2948人の増加にとどまっている。

診療所の医師に限ると外科医は5778人→3130人と45%も減少。逆に精神科医は1393人から3862人と激増し、眼科医は6217人から8395人へ、皮膚科医は3727人から5411人へと増加している。

私の前からの持論ですが、外科で働いても眼科や皮膚科で働いても収入に大差がないなら、急患や当直、手術が多く責任が重い外科は敬遠されています。10年~20年後には「近くに手術をしてくれる医師がいない」「産みたいのに産めない」事態が迫ってきています。

皆さん、是非、妙案を一緒に考えて下さい。

(追伸)

ゆうちゃんも学校が休みで毎日何をしているのだろうと考える日々が続いています。写真を見ると背がぐーんと伸びてきましたね。

まりちゃんは、いよいよ幼稚園入園が近付いてきました。元気で行って欲しいと思います。

「青春」について色々と考えてみたい。

私の好きなサミュエル・ウルマンの有名な「青春の詩」。

その中で「青春とは人生のある期間を指すのではなく心の持ち方を指すものである」と書いてあるが、日本では「人生の応援歌」として受容されている。私も結婚式のスピーチでよく使わせてもらった。

さて漢字的に考えてみると日経新聞で有名な阿辻哲次先生は「青春」という漢字を次のように解説している。

各国には春の到来を感じさせる独特の光景があるが、それはほとんどの場合、植物に関係している。厳しい冬に耐えて静まりかえっていた木々や花々がうららかな陽光をあびて成長をはじめようとする時、人はそこにたくましい生命力を感じとる。

杜甫の詩句「山青くして花燃えんと欲す」は、緑一色の染められた山に赤い花が燃えるように咲いているさまをうたうが、さてどんな花を見て詠んだのでしょう。

「青」と「春」をつなぐと「青春」。青春とは芽吹き出した植物のように無限の可能性を秘めて、これから花を咲かせていく時期なのです。

青春を過ぎたと嘆くのではなく、むしろこれからの「青春」で新しい芽を出し大きな花を咲かせる努力をしてみたいものです。

私も「青春」をしたいし、読者の皆様も「青春」して下さい。

(追伸)

コロナでゆっくり自然を眺めることがなかった今春ですが、病院の屋上にふと上がってみました。すると秘書さんが植えてくれたチューリップが満開でした。

年年歳歳、花相似たり。

ほんわかとした気分になれました。

ほっ。

 

爪と瓜。よく間違えて注意されました。

「爪にツメなく瓜にツメあり」とも教わりました。

2つとも象形文字で「瓜」はウリの実をかたどったもの、「爪」は人が手を上からかざして何かをつかみ取ろうとするさまをかたどった漢字で、そこから「ツメ」という意味を表します。

次に「爭」。旧字体を見れば上に「爪」があります。「爭」は「爪」と「尹」からなり、誰かが手に持っている杖を別の「爪」が奪い取ろうとする形です。杖を握っているのは権力者でその人の杖を奪い取る、つまり「あらそう」という意味が生まれました。

当用漢字にもさまざまの意味が込められていることを日々、実感しています。

 

私は産業医もしていますが今回、滋賀医大の一杉正仁教授の論文を引用させていただきました。

わが国の法人タクシー運転手の平均年齢は59才であり60才以上が全体のほぼ3/4を占めています。バスやトラック運転手の平均年齢も全産業の平均より高く、年々、高齢化が進んでいます。

職業運転者は1日の勤務時間について法で定められています。トラックやバスは基本的に1日、13時間以内で16時間が限度。また休憩時間も継続8時間以上と定められています。

しかし違反が多く過重労働を強いられているのが現状です。

そして全産業労働者の平均労働時間より長いだけでなく、平均所得も低いという実態が明らかになりました。また別に健康状態調査でも心疾患の発症リスクが高い結果が出ました。

タクシーやバスは我々の日常生活に欠かせません。

何とか働き方改革の中で良い方向に行くことを切に願っています。

 

新型コロナの猛威で大リーグの開幕が延期。最短でも5月中旬以降となり、7月にずれ込むという噂も出ている。1918年の第1次世界大戦の激化中でも米国は野球が最大の娯楽であったため球団オーナーたちは試合をやめようとしなかった。

しかし7月に徴兵年齢に達した選手達が次々と戦争に出て、247人の選手が兵役に就き、そのうち3人が戦死した。

こうして世界中が戦火に巻き込まれる中、新型ウィルスエンザの通称、スペイン風邪が流行。CDCの推定で世界で5億人、全人口の3分の1が感染。また5000万人以上が犠牲となり米国でも67万5000人が亡くなった。

このパンデミックにより野球界は打ち切りも検討したが続行。結局、9月の第1月よう日であるレイバーデー(労働者の日)にシーズン終了。異例の短縮シーズンとなった。

スペイン風邪以来102年ぶりのコロナ試練。

今年の大リーグはいかに乗り越えるか?

 

最近、中国、武漢で眼科医が相次いで新型コロナウィルスによる肺炎で亡くなっている。いちはやく新型肺炎へ警鐘を鳴らし先月7日に肺炎で亡くなった中国人医師も眼科医であった。

患者さんから目についていくつかの質問が来ている。

日本でも咽頭結膜熱(プール熱)や流行性角結膜炎はアデノウィルスが原因となって結膜炎を起こします。

詳しいことは調査中ですが感染性を有する飛沫や体液は結膜上皮に簡単に付着します。それ故、日本眼科学会は先月27日に「手洗い、咳エチケット、体調管理に加えて手で目を直接触らない」ように警告しています。

コンタクトレンズをつけたりはずしたりする際は必ずその前に手をしっかり洗って下さい。

またレンズ面の広い眼鏡をかけることも症状の防止に役立つと思います。

是非、目にも関心を持って下さい。

 

阪神タイガーズのファンならワクワクするのが7回。攻撃前にカラフルな風船が舞う。

7回が「ラッキーセブン」と呼ばれるのは、大リーグでおこなわれたある試合で選手が7回に打ち上げた平凡なフライが風に乗ってホームランとなり、それでチームの優勝が決まったことに由来する。(あくまで俗説)。

さて我々、日本人は祝儀では奇数を喜び、偶数は嫌う。おそらく中国の伝統的な占いである「易」に由来する。易は森羅万象を「陽」と「陰」に分けて考え「陽」のシンボルナンバーを九、「陰」のナンバーを六とする。慶事では陽が尊ばれその象徴が九である。日本の「七五三」も奇数だけの組み合わせである。

「七」の古い字型は漢数字の「十」によく似ていて、左右に走る横線を上下の縦線で断ち切ることを表している。「すっぱりと断ち切る」という意味で、だから「切」という字が「七」と「刀」でできているのだが、人間も7才になれば、もう幼児ではない。七五三の「七」は少年少女が幼年期とスッパリ訣別する年令なのである。

(追伸)

まりかは明日、3月20日で3才になります。

すくすくと育って下さいね。

コロナに関しては当院も連日のように日本医師会から県→市を通じてFAXの山である。

3月11日付では、患者の診察には医師及び介助ナースはサージカルマスク、手指消毒、といった具合に細かく指示されてきている。

3月10日付には「コロナ(疑)の患者」とあったのが「全ての患者の診察に対して」と変わった。

一般県民からのコールセンターの設置や医療機関からの照会番号等、細部に渡っている。

経済もパンデミックの影響でガタガタだし、倒産、失業の急増の地獄絵となっている。年金資金を株に投資しているGPIFは大損になっているのでは?と不安はつきない。

安倍首相も日銀総裁ももっと全力でがんばって欲しい。

終息の日を願いつつ・・・。

 

何回も取り上げてきたこのテーマ。

全く飲まない人には無縁ですが、多少なりとも付き合わされる場合には困りますよね。

さて、まずして欲しいのが水分補給。アルコールを摂取するとアルコールの利尿作用とアルコールを分解するときに水分が使われるため脱水になりやすい。

ただし、脱水症状が起こると口から水分が入らなくなることがあり、当院でも点滴はよく行います。

経口可能なら経口補水液やスポーツドリンクを少しずつ飲んで下さい。

水分が摂れ出したら脱水で失われたビタミンB1やカリウムなどのミネラルを補給しましょう。コンビニ販売の好みの栄養ドリンクもいいですが、「飲む点滴」と呼ばれる麹甘酒が良いです。多くのビタミン、ミネラルや難消化性オリゴ糖も入っているのでミネラルの吸収率もアップします。ブドウ糖も含まれているので低血糖を来している場合も効果的です。

水分はとれるが食事が無理というときは、1月7日の「七草がゆ」のようにやわらかくてスープに栄養が溶け込んでいるものが理想的です。

永遠のテーマですね。

 

来たる3月11日で、当院も33周年を迎える。

先代、後藤田内科より52年となる。

50年来てくれている患者さんも居て、感謝である。

この50年間で患者さんのスタイルも変わってきた。30年前の入院患者さんは独歩で手のかかる人はほとんど居なかった。

所が現在は1~2割の方は高齢であったり、術後リハビリであったりと介助が必要な方が増えてきて、当初は必要なかった「ヘルパー」さんの存在が欠かせなくなった。「食事介助」などもその端的な例でしょう。

その分の診療報酬のアップも厚労省にお願いする時代となりました。

時代のニーズに合わせられるように頑張りたいと存じます。

応援お願いします。

(追伸)

ゆうちゃんの激励文が届きました。

またがんばりますね。ありがとう。