全国的なインフルエンザの日本列島。

インフルエンザも風邪の一種ですが、寒くなると風邪をひく人が増えてその流行が多くなります。そこで問題ですが寒いとなぜ風邪が増えるのでしょう。或いは、風邪になるのでしょう。

実はこれは古くて新しい命題です。医者になってから色々な先輩、教授に尋ねましたが、なかなかスッキリした解答はありません。

もちろん気温が低いと心筋梗塞や脳卒中のような動脈硬化が原因の病気が増えるのは血圧も上昇するので説明がつきます。

気温が低いと室内と屋外の温度差が大きくなり肌が急に冷やされ血管が収縮し血圧が上がるのは今やほとんどの方が知っています。

私はよく教授に例えば冬に裸で滝に5分も打たれるとその後、寒気、鼻水が出て風邪を引くのは何故、と尋ねましたがどうも名解答がありませんでした。

一つは寒さによって一気に免疫力が低下するからだ、という説がありますが確実と言える論文がないのです。

ただ経験則で「寒いと風邪を引くから暖かくしろ」なのです。誰か解答を知りませんか?

さて、「初期の風邪は適度に運動すると治る」という説は本当のようです。運動によってウィルス感染細胞を攻撃するNK細胞や、粘膜の免疫を強化する唾液中分泌型IgAなどが増加し、免疫機能が亢進することが最近の研究で実証されています。ただし、あくまで「寒けがする」「だるい」「頭痛がする」といった初期症状が出始めた頃であって、熱や咳が出始めた頃には手遅れです。

最後にインフルエンザの話題ですが、ひと冬に2度、かかる人が今年は多くなりそうです。12月にA型、2月にB型とか。ポルノグラフィティのボーカル岡野君も12月と2月にかかりました。2度目のかかりやすさと予防接種の有無は関係ありません。

問題は「1回かかったから大丈夫だろう」と人前に出て感染源になることです。2度目を疑って受診して下さい。

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