患者さんで金沢出身の人と話す機会があった。

犀星は大正から昭和にかけて詩人・小説家として活躍した。(1889~1962年)。金沢の中心街である香林坊・片町から少し足を伸ばした所に雨宝院と記された門があり、その脇にお地蔵様が立っていて、参詣者を迎えている、と言う。室生犀星記念館があって、この町が犀星の「ふるさと」である。

川の名前をそのままタイトルにした「犀川」は20才から24才までの作品を編んだ抒情小曲集である。

この時期は犀星は貧しく13才で高等小学校を中退した。地方で働きながら独学して文学を志す。21才で上京するものの才能は見出されず、生活は荒んでいく。闘病もして自分で「暗黒時代」と振り返っている。といって金沢に逃げ帰るわけにいかない。

有名な次の一節は愛光時代に授業で習って暗唱しました。皆様も是非、口ずさんで下さい。

ふるさとは 遠きにありて思うもの

そして悲しくうたふもの

よしや うらぶれて異土の乞食(かたゐ)となるとても

帰るところにあるまじや

(追伸)

ゆうり、まりかそれぞれ、元気に遊んでいます。

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