室生犀星
患者さんで金沢出身の人と話す機会があった。
犀星は大正から昭和にかけて詩人・小説家として活躍した。(1889~1962年)。金沢の中心街である香林坊・片町から少し足を伸ばした所に雨宝院と記された門があり、その脇にお地蔵様が立っていて、参詣者を迎えている、と言う。室生犀星記念館があって、この町が犀星の「ふるさと」である。
川の名前をそのままタイトルにした「犀川」は20才から24才までの作品を編んだ抒情小曲集である。
この時期は犀星は貧しく13才で高等小学校を中退した。地方で働きながら独学して文学を志す。21才で上京するものの才能は見出されず、生活は荒んでいく。闘病もして自分で「暗黒時代」と振り返っている。といって金沢に逃げ帰るわけにいかない。
有名な次の一節は愛光時代に授業で習って暗唱しました。皆様も是非、口ずさんで下さい。
ふるさとは 遠きにありて思うもの
そして悲しくうたふもの
よしや うらぶれて異土の乞食(かたゐ)となるとても
帰るところにあるまじや
ゆうり、まりかそれぞれ、元気に遊んでいます。
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口について
人間にはクチが一つしかないから口の数と人の数は必ず同じになります。そこから「人口」という言葉が出来ました。
中国最古の漢字字典「設文解字」(せつもんかいじ)に「口は人の言い食らう所以(ゆえん)なり」と有ります。
即ち器官としてのクチは①ものを食べること、と②言葉や音を発するという二つの機能を持っています。
①については「呑」「味」「啖(くらう)」など飲食に関する漢字は『口』部に漢字辞典では収められています。
②については「咳」「啼(なく)」「吹」「嗤(わらう)」などがある。
さて①と②の数だが漢字数は②の方がはるかに多い。しかし医学的にみると①の食べることと②の発することを比べると①の機能がなくなるのはとても辛い。今でこそ鼻腔栄養や中心静脈栄養があるが、やはり口から食べてが人間の生存の基本ではなかろうか。
漢字学、面白いですね。
2月3日の節分の日。
季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると信じられていたため、それを追い払うための悪霊ばらい行事が行われた。これが節分の鬼退治の儀式。室町時代には登場します。
さて、まりちゃん、恐いオニもへっちゃらの笑顔でした。
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鱈
鱈(タラ)は皆さん、お好きですか?世界中で食べられる魚。日本で一般的に鱈と呼ばれるのはマダラ。他にスケトウダラ、コマイがあります。
主な産地は北海道で1~2月は脂がのり、おいしいです。メスよりオスが人気で白子(精巣)も鍋料理や酢の物でよく見ますね。
脂肪分は0.2%とごく少量しか含まれていないので消化、吸収の際に胃に負担がかかりにくいため、病み上がりの食事や離乳食に適しています。栄養面ではビタミンB12やビタミンDが多く含まれています。
白子も水分が80%以上を占め低脂肪です。ポリアミンを含み、アンチエイジングの観点からも注目されています。
スペイン、イギリス、北欧などでも煮たり焼いたりしてよく食べられています。
是非、おいしい季節。召し上がって下さい。
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(追伸)
いちご狩りの季節がやって来ました。
大満足の、まりちゃんです。
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凧揚げ
新年にあたって
年の瀬
お琴
日本でいう「琴」はもともと「箏」という楽器だった。
「琴」と「箏」は別の楽器で、どちらも奈良時代に日本に伝わった。唐で作られた「琴」が正倉院に残っているがその後、日本では楽器としての「琴」が消え、漢字だけが残った。戦後に漢字制限のために「当用漢字表」に「箏」が収録されず「箏」の書き換えとして「琴」が使われるようになった。
さて李白の「山中にて幽人と対酌す」という詩がある。
「両人対酌すれば 山花開く
一杯一杯 また一杯
・・・
明朝意あらば琴を抱いて来たれ」
という一説がある。
「明日その気になったら琴をかかえてまたおいで」と誘われた友人は、また行ったのでだろうか?
私たちが知っている「琴」という漢字は長方形の胴の上に張った十三本の弦を琴爪で弾く弦楽器を表している。山田流では180cm、生田流では190cmに及ぶものがあるが中国で言う「琴」は長さ130cm、幅20cm、で琴柱(ことじ)はなく左手で弦を押さえ右手で弦をはじいて演奏しました。だから何とか李白の家へ持って行けたのかも知れません。
風流な話でした。
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(追伸)
季節は秋から冬へと。
まりちゃんも3月には3才へ。
(写真6枚)
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聴力低下
最近、患者さん(高齢者)に問診をしても難聴の人が多いのに驚く。私の声が聞こえないがナースの声は聞き取れる人が多い。(つまり、低音域は聞こえないが高音域は聞こえる。)
何故だろうと調べていたら、今年7月に国立国際医療研究センターの溝上哲也部長らのコホート研究で次のような事が明らかとなった。
5万人のデータを最大8年間追跡調査した結果、①肥満でない人②肥満の人③生活習慣病を合併した肥満の人(メタボ。)について①に比べ②→③と聴力低下のリスクが高まることが分かったのです。BMIが25~30の人は、1.2倍聴力低下リスクが上昇し、BMI>30の人は特に低音域(1000Hz)で1.6倍リスクが上昇していました。
従来は高音域(4000Hz)から聞こえにくくなると言われていたのですが、この研究結果で肥満と聴力低下との関連は実は低音域(1000Hz)でより強い傾向がみられた、と。やはり私の診察室での結果を裏付けるものでした。
ひとの会話は250~2000Hzですので、この領域の聴力低下が起こると電話も聞きとりにくく、日常生活や仕事に悪影響が出ます。
メタボになると内臓脂肪から炎症を起こすサイトカインが放出され代謝が悪くなる。すると血管の動脈硬化が加速し、耳の小さな血管は早期に悪影響を受けるのです。聴覚器の細胞はいったん傷害されると再生は困難となります。
禁煙や適性体重の維持は、こんな所にも重要なのです。
秋になり、吉田の海に山にと忙しくも楽しい姉妹です。
みかん狩りはいいですね。体験学習、賛成です。
(写真8枚)
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アマンド
東京に住んでいた方なら誰もが知っている「アマンド」。携帯なき時代の六本木の待ち合わせは「アマンド前」が定番だった。店の創業は1946年。六本木店は64年。店名の由来は、現社長の茂田優さん曰く、「甘い物で戦後の日本人を明るくしようと思って『甘人』=アマンドと名付けた」と。
私も大学生から医師になった頃、頻繁にアマンドを待ち合わせに使った。芸能人の来店も多く1時間も居れば誰かしらを見かけた。
喫茶店で店内に絵画を掛けたのも、おしぼりサービスをしたのもアマンドが最初。フランク永井が歌った「有楽町で逢いましょう」は49年に開店したアマンド有楽町店(現在は閉店)がモチーフになっている。
3年前に復刻メニューを始めた。
「スパゲティコスモポリタン」「ミルクケーキ」「プリンアラモード」・・・。これが若い人に「インスタ映えする」と人気になり定番メニューになった。
茂田社長曰く、「六本木を含め都内4カ所で展開する喫茶事業と空港の土産物コーナーでお菓子を売る物販事業など『アマンド』を冠したビジネスは黒字です。」と。
懐かしい「アマンド」の話でした。
秋の空高く、「高~い、高~い」と、まりかのはじける笑顔です。














































